71歳になった今、改めて「これからどこで、どんなふうに暮らしていくか」を考えています。
長年住み慣れた持ち家はありますが、周囲は不便で、いずれ免許を返納すれば買い物にも行けない。
便利な駅近の賃貸に移るべきか、それとも子供たちの住む街に引っ越すべきか…。
友人はいても親戚は誰もいない今の場所で、この先ひとりで過ごすことに漠然とした不安もあります。
今、私が悩みながら考えている「シニアの住まい選び」について書きました。
はじめに:71歳を迎えた今、感じる住まいへの不安

長年暮らしてきたこの家にも、少しずつ古さが目立つようになってきました。
築40年以上が過ぎ、屋根や壁の塗装もはがれ、給湯器もだいぶ古くなっています。あちこちに小さな不具合が出るたびに、「ああ、月日の流れって早いなあ」としみじみ感じます。
ここは、200軒ほどの一戸建てが並ぶ住宅地。
同じ頃に建てられたお宅が多く、最近では建て替えをする家や、売りに出される家がぽつぽつと増えてきました。住んでいるのは、私と同じように年を重ねた方ばかり。朝の登校時間になっても、子どもたちの元気な声が聞こえることは、ほとんどありません。
少し前には、施設に入られたお隣のお宅が売れたということで、息子さんが業者さんと一緒に挨拶に来られました。
境界線の確認に立ち会いながら、「ここも変わっていくんだなあ」と、心の中でつぶやきました。
町内には、子どもさんが戻ってきて家を建て直すお宅もあれば、認知症が進んで子どもたちの家に引き取られる方もいます。
そして、ふと気がつきました。
「71歳になった私も、これからの暮らしを考える時期に来ているのかもしれないな」と。
車の免許を返納したら、今の場所では買い物に行くのもきっと一苦労になりそうです。
娘に教えてもらいながら、ネットスーパーを時々使うようになりましたが、便利な半面、外に出る機会が減ってしまうことが少し怖い。
家にこもってばかりでは、足腰が弱ってしまうかもしれない…。そんな不安も頭をよぎります。
これから、どこで、どんなふうに暮らしていこうか。
まだ答えは出ていませんが、今、心の中にある思いを少しずつ整理してみたいと思います。
選択肢を整理してみる?

これからの暮らし、どうしていけばいいんだろう?
そんなふうに思いながら、今、いくつかの選択肢をシュミレーションしています。
子どもたちの近くに住むことも考えながら、自分にとってどんな暮らしがいいのか、少しずつ整理してみようと思います。
このまま今の持ち家に住み続ける
住み慣れた家だから、気持ちはとても落ち着きます。
けれど、もし免許を返納してしまったら、買い物や通院など、出かけるのがとても不便になりそうです。
自由に過ごせるのは魅力だけれど、体調が悪くなったとき、一人でどうしたらいいのか…その不安も大きくなります。
新幹線の駅近くの便利な賃貸に引っ越す
交通の便がよくなれば、きっとお出かけもしやすくなるでしょう。
ただ、今の家に比べると、借りられるのはワンルームか1Kと、とてもコンパクトな部屋になりそうです。
体調が悪いときの不安は、持ち家にいる時とあまり変わらないかもしれません。
子どもたちの近くの街へ引っ越す
新幹線の駅近くと同じように、間取りは狭くなりそうですが、子どもたちの家まで30分くらいで行ける距離。
もしものときに、すぐ駆けつけてもらえる安心感は、やっぱり大きいです。
ただ、子どもたちが住む関東地方は、家賃も高く、私にとってはまったく知らない土地。
新しい場所で、うまくやっていけるだろうかという不安も、正直なところ大きいです。
ネットでいろいろ調べてみたところ、
家賃が比較的安く、子どもたちの家までそれぞれ30分ほどで行ける街を見つけました。
高齢者にも暮らしやすいといわれている場所です。
でも――やっぱり、まったく知らない土地で、友だちもいない場所に飛び込むのは、勇気がいります。
病院や、もし介護が必要になったときの費用や施設のことも考えなければいけません。
71歳の私に、そんな新しい生活ができるのだろうか?
考えれば考えるほど、不安ばかりが膨らんでしまいます。
住まいについて考え始めたきっかけ

今の家から最寄り駅までは歩いて30分。
バス停はすぐ近くにあるものの、バスの本数は年々減ってきていて、だんだんと不便を感じるようになりました。
今はまだ車を使っていますが、免許返納を考えると、やはりこのまま住み続けるべきか、どこかへ移るべきか、悩みは深まるばかりです。
【今の家に住み続けるメリット】
- 家賃がかからない
- 慣れ親しんだ住環境
- 家の広さにゆとりがある
【今の家に住み続けるデメリット】
- 移動手段が限られていく
- 近隣も高齢化が進み、空き家が増えてきた
- 体調が悪くなったとき、一人で対処しづらい不安
最近、近所の2軒も施設へ移られ、空き家になったと聞きました。
周囲の変化を目の当たりにすると、「このままでいいのだろうか?」と考えずにはいられません。
【子どもたちの近くに引っ越すメリット】
- 体調が悪いとき、すぐに頼れる安心感
- 病院や介護施設が充実している街を選べる可能性
【子どもたちの近くに引っ越すデメリット】
- 年金生活で家賃を払い続ける経済的な負担
- 知らない街で、友だちがいない孤独感
- 子どもたちにもそれぞれの生活があり、頼りすぎない距離感が難しい
子どもたちは「近くにおいでよ」と言ってくれます。
でも、全く知らない土地で、新しい生活を始める不安――
友達もいない環境で、毎日をどう過ごしていくのかを思うと、簡単には決断できません。
また、娘家族も子育てと仕事で忙しい毎日。
今のように、私自身が自立して暮らしながら、たまに顔を出す関係も、
お互いにとって心地よい距離感なのかもしれない、と感じることもあります。
これから先、何を一番大切にして暮らしていきたいのか。
改めて、ゆっくり考えてみたいと思います。
これからの行動プラン

今住んでいるのは、古くなったとはいえ持ち家です。
家賃がかからないことは、年金生活の中では大きな安心材料です。
一方で、もし引っ越すとなれば、家賃を払いながらの生活が本当に成り立つのか、心配もあります。
また、高齢者にとっては病院探しも重要なポイント。
いま通っている信頼できるかかりつけ医のような先生に、新しい土地でまた出会えるのか――
不安は尽きません。
さらに、将来、介護施設が必要になったときも、地方なら年金内で入れる施設もありますが、関東近郊では費用がかなり高くなると聞いています。
転居後もできる限り仕事を続けたいと思っていますが、71歳の今、新しい土地で働き口が見つかるのかどうかも気になるところです。
「動けなくなった時のことを思えば、子供たちの近くに住むべきか?」
そんな考えが、心の中で日に日に大きくなっています。
少しずつ、家の片づけ(断捨離)を進めながら、
将来に向けて、今できる準備を始めています。
引っ越すとすれば、今の家より確実に狭い住まいになります。
荷物を減らし、暮らしもシンプルにしていかないといけません。
持ち家を売却することになれば、
「果たして売れるのか?」「売れたとしてどれくらいの金額になるのか?」
「そのお金で家賃を払いながら暮らせるのか?」――
考えなくてはならない課題も山積みです。
そんな中、子どもたちにも相談しながら動き始めています。
2人とも「近くに来たら?」と言ってくれていて、
先月は、娘や息子の家から30分ほどの場所にある街を一緒に見て回りました。
街の雰囲気を実際に歩いてみて、少しずつ現実味が湧いてきたような気がします。
焦る気持ちもありますが、
「あと何年あるかわからない」からこそ、
悔いのない選択ができるように、子どもたちとも相談しながら、
これからの暮らし方をじっくり考えていきたいと思っています。
まとめ:最後に大事にしたいこと

動けなくなった時や、認知機能が低下した場合、どうしても一人でできることには限りがあります。
そんな将来を見据えながら、今、子供たちとも相談し、「自分にとって一番良い選択は何か?」を少しずつ考え始めています。
生まれてからずっと同じ県で暮らしてきましたが、この年齢になって、違う土地に住んでみるのも――
ほんの少しだけ「それもいいかもしれない」と思う自分がいます。
もし移動するなら、少しでも若いうちに。
そう思うと、迷いながらも、今こそ決断すべき時期なのかもしれません。
これからの暮らしで、私が一番大切にしたいのは、
「安心して暮らせる場所」「自由に自分らしく生きられる環境」「人との温かいつながり」です。
終末期をどこで、どう過ごすか。
それは、誰にとっても簡単に決められることではありません。
けれど、迷いながらでも、自分らしい生き方を最後まであきらめずに選び取っていきたいと思っています。
シニア世代の皆さんも、ぜひ一緒に「自分にとって何が一番大切か」を考えていきませんか?

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