最近、「あれ?名前が出てこない…」「何を取りに来たのか忘れた…」といった物忘れが増えたと感じていませんか?
加齢によるものなのか、それとも何かのサインなのか。そんな不安を抱える方に知っておいてほしいのが「MCI(軽度認知障害)」という状態です。
認知症とは違い、早めに気づいて対策を取れば改善や予防も期待できます。この記事では、MCIの特徴や早期発見のポイント、私自身の経験や感じたことも交えながら、お伝えしていきます。
MCIとは?

MCI(エムシーアイ)とは、「軽度認知障害」のこと。
認知症とは違い、日常生活に大きな支障はまだ出ていないけれど、物忘れや記憶力の低下などが少しずつ見られる状態を指します。
この段階で気づいて、生活を見直したり治療を始めることで、元の状態に戻ったり、進行を遅らせることも可能だと言われています。
認知症との違いは?
MCIの人は、まだ家事や身の回りのことは自分でこなせる方が多いそうです。
けれども、こんな変化が見られることがあります。
- 人の名前が出てこない
- おつりの計算ができなくなる
- 興味のあった趣味への意欲がなくなる
- 身だしなみに無頓着になる
こうしたことが少しずつ増えてくると、「年齢のせい」と思い込みやすいですが、実はMCIのサインかもしれません。
こんな行動があれば注意が必要
たとえば――
- 一人暮らしはできているけれど、約束をよく忘れる
- 同じ話を何度も繰り返す
- 少し前の出来事が思い出せない
こうした行動が目立ってきたら、一度医師に相談してみると安心です。
早めに気づくことが何より大切
最近では、MCIの段階で見つけて対策をすることが、認知症予防の第一歩だと考えられています。
「もしかして?」と思った時こそチャンス。自分の状態を知ることで、これからの生活が変わります。
ウオーキングなどの有酸素運動も、脳には良いそうです。涼しい時間に、変わりゆく季節の花や新緑を楽しみながら近所の散歩をしてみませんか?

MCIのサイン・チェックポイント

「物忘れは若い人にもある」とよく言われますが、年齢とともにその頻度や内容が変わってくることがあります。
とくに、生活に支障を感じるような物忘れは、注意が必要かもしれません。
たとえば、よくあるのが――
「財布がない!誰かに盗られたかも…」というケース。
実際には自分でしまった場所を忘れているだけなのに、人のせいにしてしまうような時は、認知機能の低下が進んでいるサインかもしれません。
MCIと認知症のちがい
- 認知症:脳の病気によって、日常生活に支障をきたすほど認知機能が落ちた状態
- MCI(軽度認知障害):まだ日常生活はできているけれど、記憶力や判断力などが少しずつ落ちてきている段階
MCIだからといって、必ず認知症に進むわけではありません。
ですが、早めに気づいて対策することで、認知症を防ぐ可能性もあると言われています。
小さな「変化」に気づくことが大切
本人はなかなか気づきにくいMCIのサイン。
だからこそ、家族や周りの人の「なんとなく変わった?」という気づきがとても大切です。
次のような変化が見られたら、軽く声をかけてみると良いかもしれません。
- 言葉がうまく出てこなくなった
- 会話のテンポが前より遅くなった
- 表情や顔つきが以前と違うように感じる
これらは、ちょっとした違和感かもしれませんが、大切なサインになることも。
「年のせい」と片づけず、気づいたら一緒に病院で相談することも予防の第一歩です。
暑い時期、手を掛けずに栄養を摂れる簡単スープ、ありがたいですね。

不安を感じたらどうする?

数ヶ月前、私が勤めていた職場では、ほとんど仕事を与えられず、ただ“いるだけ”のような日々が続いていました。
最初は「楽でいいかも」と思っていたのですが、時間が経つにつれ、何もしないことが次第に辛く感じるようになりました。
やる気が出ず、ちょっとしたミスも増えていき、ある日ふと、
「もしかして、これは認知症の始まりでは…?」と、急に不安に襲われたのです。
年齢のこともあり、思い切って脳の機能検査を受けてみることにしました。
結果は「問題なし」。でも…
検査の結果は、「認知機能に問題はありません。ほぼ満点です、大丈夫ですよ」とのこと。
ほっと胸をなでおろしましたが、同時に「じゃあ、この心と体の不調は何だったんだろう?」という思いも湧いてきました。
医師の説明によると、
やりがいを感じられず、刺激の少ない毎日が続くと、気分や集中力が落ちて、一時的に記憶力まで低下したように感じることがあるとのこと。
これは、「廃用症候群」や「仮性認知症」と呼ばれることもあるそうです。
つまり、本当の認知症ではなく、環境や心の状態が原因で起こる一時的な変化だったのです。
検査で「安心」と「気づき」を得た
「動くのが好きな私ですが、何もしないことが、心や脳にこれほど影響するとは…」
これは私にとって、大きな気づきでした。
もし、あのとき不安をそのままにしていたら、もっと気持ちが沈んでいたかもしれません。
不安を抱えているだけでなく、一度検査を受けることで安心できることもあります。
さらに、それが生活を見直すきっかけにもなりました。
私がやっていること
それ以来、私は次のようなことを心がけています。
- 少しでも頭を使う趣味を持つ(読書やパズルなど)
- 毎日誰かと話すことを意識する(挨拶や雑談だけでもOK)
大げさなことではありませんが、こうしたちょっとした工夫が、日々の気持ちを前向きにしてくれます。
今できることが、安心につながる
年齢を重ねても、自分らしく元気に暮らすためには、「今できること」を知っておくことが大切だと、私は感じました。
「何となく不安」「最近、ちょっと変かも」と思ったら、一人で悩まず、専門家に相談する勇気を持つこと。
それが、将来への不安を和らげ、前向きな一歩になるはずです。
💬 専門家の声(引用)
「MCIの方の約半数は、その後5年間で認知症に移行しますが、早期に気づいて生活改善を行うことで、進行を遅らせたり、回復することもあります。」
― 日本認知症学会 監修資料より
💬 厚生労働省の啓発ページ(参考)
「MCI(軽度認知障害)は“認知症ではないけれど、健康ともいえない”グレーゾーンに位置する状態。
早期発見・早期対応が、認知症予防の第一歩となります。」
💡 検査について
MCIや認知症の疑いがある場合は、「長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」や「MMSE(Mini-Mental State Examination)」などが使われます。私が受けたのも、そうした簡単な質問形式のものでした。

まとめ:不安は「気づく力」に変えられる

最近はキャッシュレス決済も増えましたが、私は現金を使う時、お釣りがちょうど500円になるように計算してお金を渡すことがあります。
小銭が少ない時は、お財布の中を見ながら計算して、脳トレのつもりで意識して取り組んでいます。
このように、日常の中で少しずつ脳を使う工夫を続けていますが、やはり「なんだか物忘れが増えたかも…」と不安になることもあります。
そんなときは、一人で抱え込まずに、「物忘れ外来」など専門の医療機関に相談してみるのが安心です。
早く気づければ、進行を遅らせることができる可能性もあると言われています。
「今からでも遅くない」――
何か気になることがあれば、まずは普段から診てもらっている「かかりつけ医」に相談するのがおすすめです。
私自身も数年前、「物忘れが多くなった気がする」とかかりつけ医に相談したことがあります。
その時に言われたのは、
「認知症の場合は、ご本人ではなく、ご家族から相談があることが多いんですよ。ご本人が気にしているだけなら大丈夫です」という言葉でした。
このひと言で、とてもホッとしたのを覚えています。
小さな気づきを大切にして、日常の中でできることを少しずつ。
そして必要なら、医師に相談する勇気を持つことが、将来の安心につながるのではないでしょうか。
楽しみながらできる脳トレパズル、おすすめです。

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