「捨てるのではなく、感謝を込めて手放す|人形供養体験記」

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長年大切にしてきた娘の七段飾りのおひな様。飾らなくなった今でも、ただ“ごみ”として処分するには、あまりにも思い出が詰まりすぎていました。

そんなとき知ったのが「人形供養」という方法。感謝の気持ちとともに人形に別れを告げるという選択肢に、心が少し救われたような気がしたのです。

なぜ人形供養に行こうと思ったのか

我が家には、娘が生まれたときに購入した7段飾りの立派なおひな様がありました。
当時は、「娘の健やかな成長を願って、立派なものを」と思い、心を込めて選びました。けれども、6畳の部屋の半分を占めてしまうその大きさは、今の暮らしには少し不便で、だんだん飾る機会もなくなっていました。

孫のためにおひな様を譲れたらと思ったこともありましたが、現代の暮らしに合うのは、コンパクトでガラスケース入りのタイプ。箱から出してすぐに飾れる、扱いやすさが好まれるようです。

少し寂しい気もしますが、家族の暮らし方や価値観が変わるのは当然のこと。時代の流れとして受け入れるしかありません。

それでも、娘の健やかな成長を願って選んだ大切なおひな様。簡単に「ごみ」として処分する気にはどうしてもなれず、断捨離の流れの中で「どこかに寄付できないか?」誰かに役立ててもらえないか?」模索していました。

お道具類は少しずつ整理できたものの、おひな様そのものとなると話は別。寄付先やリサイクルショップなども調べましたが、なかなか現実的な選択肢が見つからず、行き詰まっていました。

そんな時、契約している葬祭場から「人形供養のご案内」が届いたのです。
「この方法なら、大切なおひな様を丁寧に見送れるかもしれない」――そう思った瞬間、心がふっと軽くなった気がしました。

とはいえ、実際に葬祭場に出向き、大きな祭壇を目の前にするまでは、「本当にこれでよかったのだろうか?」という迷いも、正直なところありました…。

人形供養の現場で見たもの、感じたこと

4月末のある日、私は人形供養の会場となった葬儀場を訪れました。
会場には、実際のお葬式さながらの大きな祭壇が設けられており、その厳かな雰囲気に、少し身が引き締まるような思いがしました。

受付を済ませると、担当の職員の方が、私の持参したひな人形を一体ずつ丁寧に受け取り、大切に扱いながら祭壇に並べていきます。
ほかにも、ぬいぐるみ、こけし、仏像など、多くの人々の思い出が詰まった人形たちが、静かに、そして美しく並べられていきました。

香炉の前には焼香台が置かれていて、私も順番に焼香を行い、「今までありがとう」と心の中で手を合わせました。
どこかで感じていた「捨てることへの後ろめたさ」が、少しずつ癒されていくような、そんな時間でした。

そして、驚いたのは、僧侶による読経が始まったことです。
形式だけの供養かと思っていた私にとって、それは本当にありがたく、思っていた以上に心が洗われるようなひとときでした。
祭壇の前には、静かに手を合わせる多くの人々。それぞれが、それぞれの想いを胸に、最後のお別れをしているのが伝わってきます。

我が家のひな人形は11体以上あったため、供養料として2,000円を支払いました。
ちなみに、10体までが1,000円という設定になっていました。
料金以上に、「感謝の気持ちをきちんと形にできた」ことに、私は満足しています。

これから人形の手放しを考えている方へ

娘が生まれたときの喜び、おひな様を実家の両親に買ってもらったときの嬉しさ…。人形を見つめていると、当時の温かい記憶が自然と蘇ります。
そんな思い出の詰まった人形を、「ごみ」として処分するなんて、私にはどうしてもできませんでした。

しかし時が経つにつれ、7段飾りのおひな様を押し入れの天袋から下ろすことも、組み立てることも、大変な作業になってしまいました。
飾らなくなったことに、どこか申し訳なさも感じていたのです。

そんなときに知った「人形供養」
「ありがとう」の気持ちを形にできる方法として、私にはとても合っていました。
葬祭場で出会った、同じように人形を大切に抱えて来られた高齢の女性を見て、「ああ、みんなそれぞれの思いを抱えて来ているんだ」と感じ、心が温かくなりました。

これから住み替えや整理を考えている方、あるいは思い出の詰まった人形の扱いに悩んでいる方には、「供養」という選択肢があることをお伝えしたくて、この記事を書いています。

寄付やリサイクルなど、誰かの役に立てばと思って調べたこともありましたが、同じように処分を迷っている人が多いため、現実はなかなか難しいものです。
でも、「供養」は単なる処分ではなく、心の整理をつけるための大切な儀式のようにも感じました。

無理に捨てる必要はありません。
でも、もし手放す時が来たなら――感謝の気持ちを込めて、静かに見送る方法もあるのだと、知っていただけたら嬉しいです。

lalgo

元気に毎日を楽しんでいる女性です。ジムで筋トレをしながら「健康寿命を延ばす!」を目指し、畑仕事や手作り味噌づくりも楽しんでいます。
パソコン初心者向け教室でインストラクターをした経験があり、パソコン操作のヒントもシェアしています。皆さんの役に立てば嬉しいです。一緒に前向きに楽しく日々を過ごしましょう!

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