ジムに行かなくても、筋トレは出来る!かもしれません。でも私は、ジムでも筋トレを選択しました。筋力の低下や転倒リスクにつながるロコモティブシンドローム(ロコモ)予防には、無理のない運動習慣が大切。私自身、運動音痴ながら60歳を過ぎて初めてジムに通い始め、体の変化を感じています。この記事では、初心者でも安心して取り組めるポイントや、ロコモ予防に効果的な運動についてご紹介します。
シニアに多い『転倒リスク』とロコモ予防

もともと運動が苦手な私。60代後半まで、筋トレとはまったく無縁の生活でした。
ところがある日、通勤途中で縁石につまずいて転んでしまったのです。「このままでは筋肉がどんどん衰えて、寝たきりになってしまうかもしれない!」そんな危機感から、ジムに通うことを考え始めました。
シニア世代にとって転倒は大きなリスクです。骨折をきっかけに介護が必要になるケースも少なくありません。その背景には、加齢による筋力低下(サルコペニア)や、移動機能が衰えるロコモティブシンドローム(ロコモ)があります。厚生労働省も「健康寿命を延ばすには、適度な運動習慣が欠かせない」としています。
私の場合は「どうせ通うなら水中で歩けるプール付きのジムがいい」と思いましたが、月会費は決して安くはありません。「自分にお金をかけるのは、モッタイナイかな?」と迷いました。
それでも最終的には「健康的に年を重ねるための必要経費」と思い切って申し込み、あれから3年、継続しています。
もちろんジムに限らず、散歩や階段の上り下り、自宅での簡単な筋トレでも十分効果があります。私の場合は一人暮らしということもあり、筋トレに加えて、人との交流もできるジムを選びました。日常の歩行や階段だけでは補えない部分をカバーできるのが魅力です。

無理なくできる運動:水中ウォーキングの効果

ジムに通う目的は、ロコモ予防のために「少しでも筋肉を増やすこと」。そこで私は、マシンだけでなくプールがあるジムを選びました。水の浮力でひざや腰への負担が軽くなるため、運動が苦手なシニアでも安心して取り組めると考えたのです。泳げない私でも、水中ウォーキングなら無理なく続けられています。
水中ウォーキングは、陸上の約半分の負荷で関節にやさしい一方、水の抵抗で自然に筋力アップが期待できる運動です。歩くスピードを変えたり、手を大きく動かすだけでも全身に効果が広がります。プールが近くになくても、毎日の散歩や室内での軽い体操なども同じようにロコモ予防に役立ちます。
ジムの料金は決して安くはありませんが、お風呂やサウナも完備されているので、最近値上がりしている光熱費の節約にもつながり、一石二鳥。運動後にゆったり体を温める時間は、通う楽しみのひとつになっています。
ジムでは、同年代と思われる方々が声をかけてくださり、「このスタジオプログラムがおすすめよ」「初心者ならこのマシンが使いやすいわよ」など、親切に教えていただけて心強いです。こうした交流も継続の大きな支えになっています。
今では、フィットネスバイクやレッグプレスを使った筋トレ、ストレッチやバレトンなどのプログラムにも参加。筋トレで下半身を鍛えると、立ち上がりや階段の上り下りが楽になるといわれていますが、少しずつそれを実感しています。無理をせず、自分のペースでできる運動を重ねることで体力がつき、転倒予防や健康寿命の延伸につながると感じています。

運動を続けるためのコツと工夫

ジム通いを長く続けるには、「とにかくジムに向かうこと」が一番大切だと周りの方に教わりました。確かに、疲れているときは無理に運動をしなくても、お風呂に入るだけでも大丈夫。「とりあえず行く」ことを習慣化するのが継続の第一歩だと感じています。
続けるコツは「楽しみを見つけること」。通ううちに顔見知りも増え、「バレトンが楽しいから一緒にどう?」と誘っていただいたのをきっかけに、スタジオプログラムにも少しずつ参加するようになりました。シニア世代でも安心して始められるプログラムがあるのは心強いですね。
『バレトン』とは、バレエ・ヨガ・フィットネスを組み合わせた運動で、担当のトレーナーは元バレリーナ。なめらかな動きを見ているだけでも心地よく、つい惹き込まれてしまいます。特に気に入っているのは、足の指を一歩ずつ動かすエクササイズ。普段意識しにくい指先までしっかり動かせるのは、転倒予防やロコモ予防に役立つと実感しています。家でも思い出したときに取り入れたり、タオルを足の指でたぐり寄せる運動をしたりと、気軽に続けられるのが魅力です。
ジムで出会った仲間とは、シニアならではの悩みを共有しながら、お互いに励まし合っています。研究でも「仲間と一緒に運動する人ほど継続率が高い」と言われており、交流や楽しみがあることは継続の大きな支えになるのだと実感しています。
「運動は苦手だから…」とためらっていた私でも、3年間ジム通いを続けられたのは、楽しみや仲間とのつながりがあったからこそ。これからも無理をせず、自分のペースで楽しみながら続けていきたいですね。

まとめ:無理せず続けることが健康寿命を延ばす

無理をせず、自分にできることを少しずつ続ける――それが、私のジム通いの基本です。
実は最初のころ、張り切りすぎて足を痛め、しばらく通えなくなったこともありました。その経験があるからこそ、今は「細く長く続けること」を一番大切にしています。
1年続けられたのは、ジムで出会った仲間のおかげかもしれません。名前を知らなくても、顔を合わせるだけで自然と励まされる存在があるのは、本当に心強いものです。
これからもシニアならではの悩みを共有しながら、楽しみながら続けていきたいと思います。そして、この文章を読んでくださっている皆さんにもお伝えしたいのは、「運動はジムでなくても大丈夫」ということ。散歩でも、ラジオ体操でも、椅子に座ったままのストレッチでも、できることを少しずつ積み重ねることが健康寿命につながります。
フレイル(加齢による衰え)やロコモ(運動器の衰え)を予防するためにも、無理をせず体を動かし、しっかり食べて、元気に年を重ねていきましょう。私自身も「細く長く」を合言葉に、これからも歩みを続けたいと考えています。

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