黒部ダムに一度は行ってみたい——そんな思いを「おとなの休日パス」で実現しました。
この記事では、長野駅から黒部ダムへのアクセス方法や、途中で利用した交通機関、現地での楽しみ方をたくさんの写真と共にご紹介します。
これから黒部ダムを訪れたいと考えている方の、旅の参考になれば幸いです。
黒部ダムへ行こうと思ったきっかけ

ずいぶん昔に見たテレビドラマか映画で、黒部ダム建設の難工事や関電トンネル工事の過酷な様子を知り、興味を持ったことがありました。けれど、その記憶も長く忘れていたのです。
今回、ひとり旅を計画する中で、「長野県側から黒部ダムに行ける」と知った瞬間に、あの記憶がよみがえり、“この目でダムを見てみたい”と思ったのが旅のきっかけです。
「昔はトロッコ列車で行くと聞いたような…」という記憶もあり調べてみると、それは富山県側の黒部峡谷鉄道のこと。今回は長野県側から向かうので、利用するのは電気バス(関電トンネルトロリーバスの後継)です。
トロリーバスは2018年で運行終了し、現在は2019年から電気バスに切り替わっていると知りました。
宿泊は、善光寺近くのホテルを予約していたため、まずは長野駅から扇沢までの行き方を調べることに。

長野駅構内の観光案内所で聞いたところ、バスの時刻表や乗り場、アクセス方法まで丁寧に教えていただきました。
長野駅 → 高速バス → 扇沢駅 → 電気バス → 黒部ダム → 展望台…
というルートです。
長野駅から扇沢駅までは、高速バスで約1時間45分。
片道4,300円と少し高めでしたが、駅構内の「みどりの窓口」にある指定券券売機でスムーズに購入できました。
「どれくらい歩くことになるかわからない」と不安だったため、体力温存を優先し、金額よりも負担の少ない移動手段を選びました。
扇沢駅からは、いよいよ電気バスで関電トンネルを抜けて黒部ダムへ。
トンネルの途中には、工事中に水が噴き出した難所の表示が青いライトで照らされていたり、往復バスのすれ違いポイントで停車する様子が見られたりと、短い16分間ながらも見どころが多く、興味深いトンネル旅となりました。


おとなの休日パスの使い方と購入方法

今回の旅では、「おとなの休日パス(東日本エリア版)」を利用しました。料金は18,800円で5日間有効、JRの在来線や新幹線の特急列車にも乗り放題で、指定席は6回まで使えます。
ただし、黒部ダムへ向かう「電気バス」や「高速バス」「路線バス」などの一部区間はJRではないため、別途料金がかかります。
🚍 行きは直通の高速バスで扇沢駅へ

長野駅からは、扇沢駅までの直通高速バスを利用しました。
片道4,300円とやや高めですが、乗り換えもなく、座っているだけで目的地まで運んでくれるのでとても楽です。
電気バス(扇沢駅 ⇔ 黒部ダム間)の往復切符は、扇沢駅で3,200円(片道1,600円)で購入しました。こちらはJRではないため、パスでは利用できません。
🚌 帰りは路線バス+JRを活用

帰りは、ダムから電気バスで扇沢駅まで戻ったあと、扇沢駅からJR信濃大町駅まで路線バス(1,650円)を利用しました。
信濃大町駅からはJR大糸線で長野駅へ戻りますが、ここは「おとなの休日パス」で無料です。
このように、行きは直通バスで楽に、帰りはコストを抑えるルートで移動してみました。
💡 安く行きたい方へ|別ルートのご紹介
より安く行きたい方は、次のルートが参考になります。
- 長野駅(JR/パス適用) → 信濃大町駅 → 路線バス(1,650円) → 扇沢駅 → 電気バス(1,600円) → 黒部ダム
→ 合計 3,250円(JR部分はパスで無料)
一方、私が選んだルートは:
- 長野駅 → 高速バス(4,300円) → 扇沢駅 → 電気バス(1,600円) → 黒部ダム
→ 合計 5,900円
時間や体力、荷物の量に応じて、乗り換えが少ない快適ルートか、費用を抑えるルートかを選べるのも、黒部ダム旅行の良さだと感じました。


長野駅から黒部ダムへのアクセス

私は、長野駅構内の観光案内所で教えていただいた通り、朝7時50分発の直通バス(アルピコ交通)で扇沢駅へ向かうことにしました。
当日は少し早めに長野駅のバス停に到着したところ、すでに行列ができていて驚きました。
このバスは予約不要で、並んだ順に乗車するため、早めに行っておいて正解でした。
並んでいるとすぐに係の方が来て、人数の確認とチケットの確認をされていました。
バスの定員を超えた方には、次の便の案内をするなど、丁寧な対応が印象的でした。
乗車時には、運転手さんに改めてチケットを提示します。
チケットは降車時に回収されるため、なくさないように注意が必要です。
バスは「高速バス」とはいえ、途中からは山道をゆっくりと走るルート。
安全運転で、景色を眺めながら扇沢まで約1時間45分のバス旅を楽しみました。
🚍 扇沢から電気バスに乗り換え、いよいよ黒部ダムへ



2列に並んで、改札が開くのを待ちます。自動改札ではなく、係員のチェックを受け、3台のバスに順に乗り込みます。

扇沢駅に到着後は、9時30分発の関電トンネル電気バスに乗り換えます。
このバスは3台連なってトンネル内を走行します。
思っていたよりスピードもあり、車窓から外を見ると、山肌をくり抜いた岩のトンネル、青く光る『大破砕帯』やすれ違いポイントなど、見どころがたくさん。
…のはずでしたが、私はスピードについていけず、トンネル内の写真は残念ながら撮り損ねてしまいました。
バスに揺られて約15分、ついに黒部ダムに到着!
この移動のワクワク感は、実際に乗ってみないと味わえない体験でした。

黒部ダムでの楽しみ方と見どころ

電気バスを降りて黒部ダムに到着すると、まずは展望台へ向かいました。
階段をゆっくり下っていると、ちょうど放水が始まっていて、展望台からその様子を見ることができました。
勢いよく噴き出す水しぶきと、眼下に広がる壮大な景色に思わず息をのむほど。
階段を降りながら何度も立ち止まり、写真を撮るほどの迫力でした。

🏞 ダムのスケールに圧倒されながらの散策
黒部ダムは、実際に近くで見ると想像以上の大きさで、コンクリートの壁面が山に溶け込むようにそびえ立っています。
上から下へ、そして左右へと視界が広がるスケール感は、写真では伝えきれないほど。
散策中は涼しい風が吹き抜けていて、とても気持ちの良いひとときでした。
実は、電気バスに乗っている間も、トンネルの窓から冷たい空気が入ってきて、思わず上着を1枚羽織ったほど。
中にはダウンジャケットを着ている方もいて、「さすが山の上!」と実感しました。
扇沢駅のバス乗り場にあった表示では、標高1,470m、気温は16.9℃と出ていました。
📸 写真と一緒に楽しむ黒部ダムの魅力

ダムの上を歩きながら、周囲の山々の景色を楽しんだり、記念撮影をしたり。
レストハウスでは、名物の『ダムカレー』も味わいました。
ちょっと辛めのカツカレーで、ダムの形を模したごはんやルーの盛り付けがユニーク。見た目も味も楽しめました。


また、「ダムカード」も忘れずにゲット。
ダム訪問の記念として人気があり、無料で配布されているので、旅の思い出にもなります。レストハウスの下『黒部ダム案内所』でもらえます。
レストハウスでは、『ダムカレー』ちょっと辛いカツカレーを頂きました。ダムカレーは、アーチカレーやから揚げダムカレー、甘口ダムなどの他にラーメンなどもありました。



旅を終えての感想とアドバイス


階段の途中には、休憩スペースもあり、ベンチで休憩をとる方がいたり、『黒部の太陽で有名な美味しい水』と書いてある水が湧き出ていましたが、私はコップを持って無くて飲めませんでした。残念。

標高1,508mの黒部ダム。山の天気は変わりやすく、下界では半袖でも、現地では肌寒く感じることがあります。
今回の旅では、あらかじめ防寒着を何枚か持っていったので正解でした。
ダムでは、実際にダウンジャケットを着ている方もいたほどで、標高の高さを実感しました。
バスを降りると、左右に道が分かれていて、どちらを選ぶかで見られる景色や負担が変わります。
- 右側のルート: 220段の階段を上って高い展望台まで行けるルート。達成感と絶景が待っています。
- 左側のルート: 約60段の階段を下りてスロープを進む、体にやさしいルート。レストハウスの近くまで行くことができ、放水もしっかり見られます。
バリアフリー対応も進んでいて、車いすや杖をついた方が利用できるエレベーターもあるそうで、多くの方が思い思いにダム見学を楽しまれていました。
私は思い切って右の階段ルートを選び、ゆっくりと220段の階段を上りました。
途中にはベンチもあり、小さな湧き水が流れている場所も。コップがあれば、山の水を味わえたかもしれません。
🧓 71歳の私でも大丈夫でした
「登れるかな?」と不安もありましたが、無理せず、自分のペースで進めば大丈夫。
71歳の私でも、休憩をしながら無事に展望台までたどり着くことができました。
展望台からの景色は本当に素晴らしく、すぐ近くに迫る山々と、眼下に広がるダムの放水の迫力ある姿に、ただただ感動。
登ってきてよかった、と心から思える景色でした。
💡 これから訪れる方へのアドバイス
- 天候と気温の変化に備えて、羽織れる防寒具を必ず持参しましょう。
- 階段の上り下りがあるため、歩きやすい靴がおすすめです。
- 無理をせず、休憩しながら楽しむ気持ちで行けば、年齢に関係なく大丈夫!

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